北海道株式会社のケース(4)vol.062

どの角度から切り込もうかと考えながら社員リストを目で追ってうちに、妙な違和感が割り込んできた。

大学に行こうと考えたことが無いあなたは、大学の名称にも疎い。
しかし、そんなあなたでも知っている有名校ばかりが「出身校」の項目列に並んでいる。
それに、リストの人数が多すぎる気がする。

“新生”北海道株式会社は、創業社長の夫人から引き継いでスタートした。
最初のうちは社員もほとんどいなかったはずだ。

10年の歳月を経ているとしても、退職者数が身の丈に合わないほど多いと思う。

(退職者の在籍年数は?)
知りたいと思っただけで、その項目の表示列がリストに追加された。
驚いて男に理由を聞くと、【法人】とあなたがPC上でリンクアップされたからだと突拍子もないことを言う。

(……)
しかし、ハローワークが準備したこの面談の『設定』は無視すると決めている。
要は「結果を出せ」ということだと思う。
それに、こういうことは、あなたには胸が躍る楽しいことだった。

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