あなたは、今度はじっくりと『退職理由フレーズの順位表』に目を通した。
<仕事に対するネガティブフレーズ> | 発された回数 |
仕事がつまらない | 178,734 |
自分にはふさわしくない | 94,621 |
給料が安い | 65,111 |
この会社での仕事は自分のキャリアにならない | 63,098 |
やりがいを感じない | 34,283 |
個性が発揮できない | 33,100 |
同じことの繰り返し | 15,901 |
上司がつまらない | 8,764 |
会社に将来性がない | 8,145 |
土日は休みたい | 2,252 |
退職の理由と考えられそうな、会社へのネガティブなフレーズだけ、上から順番に10個取り出してみた。
1位の「仕事がつまらない」は、定番ともいえるフレーズで、傾向を知るうえでは無効なデータと考えてよいだろう。
10位の「土日は休みたい」も同様に、シフト制の会社では定番の意見だ。
複数のデータを取得した場合に、最上位と最下位の情報を除いて有効データにする方法は、フィギアスケートなどでもお馴染みだが、まさかこんなところでそれを適用することになるとは思ってもみなかった。
そうして、2位から9位までだけを材料に考えてみた。
(はてさて、これは出来レースか?)
そう思ってしまうほど、共通する特性が見出せる。
3位の「給料が安い」というのはともかく、それ以外からはいわゆるエリート志向のような傾向が感じ取れる。
どこでもありがちな「残業が多い」、「キツすぎる」や「オフィスがダサい」、「トイレが汚れている」、「イケてる異性がいない」などという、プライベート重視や個人的嗜好に偏ったフレーズはトップテン圏外か、そもそも存在していない。
(強い自負心を抱いている人間ほど、辞めてしまう傾向があるようだ)
辞めやすい人材をあえて選んでいるということは、『プロフェッショナル集団を目指す』とは、単なるスローガンではなく、社長は本気に違いない。
それが皮肉な結果を生み続けているように感じられるが、社長はその事実をどのように捉えているのだろうか。
(それでも、現在に至ってもなお、社長の意思はブレていない)
やはりそこに最大の謎がある。
それに、北海道社は社歴こそある程度長いが、零細企業に有名大学の出身者がこんなに入社するなど、就職難の時代といえども不自然な気がする。