北海道株式会社のケース(7)vol.065

伝票データで、いくつかの得意先の売上計上日を抽出してみたが、どんなに多くても2~3か月に1回程度で、日にちもバラバラだ。
売上に対応する仕入取引がどれだったかも、割と簡単に特定できる。

基本的に売上はプロジェクトベースで計上され、粗利については定番として計算できるものもあれば、その都度目まぐるしく算定して出すものもあり、1回しか算出しない原価もかなりの数に上る。

(少額のレンタル品などは一式でまとめてしまえば、会計処理の手数がずいぶん減るだろうに)
と、あなたは思った。

ランチェスター的に言えば『弱者の戦略は軽装備に徹すべし』だし、その代表的な実践例が『経理は簡単にして金をかけない』だ。
会社の戦力はすべて顧客に向けるのが、中小零細の非力な企業のセオリーだと思う。

(つまり、こういう余計なコストも吸収してしまえるだけの強み、ということか)
あなたは膨大なデータの海に潜って模索している。

一度だけ試みに、【法人】に「強みは何か」と訊ねたが、男は首をかしげた。
情報を総合して仮説を立てることはできないようだ。

まあ、それができるならこんなところに相談になど来ないで、自分で何とかするだろう。
彼らにしてみれば、会社の存続が自らの命の継続なのだから。

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