ハローワークからの連絡は思ったより遅く、▲▲社との面談が終わって5日後だった。 例の若い美人の担当官から電話があり、報酬は明日振り込まれるという。 そして、最大の関心事、契約については、引き続き今後もお願いしたいとのことだった。
複雑な思いながらも、あなたは胸をなでおろした。 最低保障の月額十数万円の収入は、少なくとも今月分は確保された。 といっても家賃と水道光熱費、そして食費だけでほぼ消えてしまう。
今後この契約が続いたとしても、アパートの更新料1か月分は身を削る思いで貯めなければならない。 健康保険未払分の納付額は、月千円ぐらいにしてもらおう。 役所窓口での面倒くさそうに、あるいは迷惑そうに対応されても、こうなっては甘んじて受け入れざるを得ない。
(それにしても、よくあんな面談内容で「今後」があったものだ)
【法人】の手相鑑定だなんてふざけた茶番ではあったが、基幹システムを検討する際のポイントやCSRに言及した点が良かったのだろうか。 そういう意味では、キツネにつままれたような気分がぬぐえない。 しかし、その程度では済まない事実が待っていた。