朝方に、青森県株式会社からの報酬を振り込んだとの連絡があった。
次の面談依頼についての呼び出しでハローワークへ行き、その帰りにあなたは銀行へ立ち寄った。
パソコンの調子が悪くて起動せず、振り込まれたという金額をネット上で確認できなかったため、銀行で記帳することにしたのだ。
記帳機械の前には先客が一人いる。 あなたは順番を待ちながら、窓口の方向へ目をやった。
たくさんの視覚情報の中で、今日の日付を示す数字だけが、あなたの意識をとらえた。 明日にはまた、次の面談が用意されているとのことだった。
前回、北海道株式会社の面談後に言われた「次の2件」の2件目のほうだ。青森社の評価査定が早かったため、依頼のスパンが短い。
担当官は以前、「1日に複数件の依頼を受けられるか」とあなたに確認してきたが、来週月曜にはその2件の面談を受けて欲しいという。
あなたはそれを請けた。今のところ、断る理由はない。 毎回収入額が不安定ならば、件数をこなすのが一番、という事情もある。
(稼げるうちに稼いでおかなければ)
まずは、青森社が今回のあなたの鑑定にどの程度の評価を与えたのか、それを確認することだ。
あなたは順番が回ってきた記帳機械に通帳を差し込んだ。 1行分だけ印字される音がして、すぐに通帳が吐き出された。