宮城県株式会社のケース(10)vol.121

(抗えない力に呑まれ、すぐさま順応しなければならない従来の経営陣の葛藤が、この【法人】の態度に表れている)

おそらく、創業から買収寸前まで率いてきた旧経営者の複雑な心境も含んでいるからこその『にわかエリート』的特徴がみられるのだろう。

新社長は(自分はエリートかどうか?)みたいな不毛な自問とは無縁の人物だと思う。
クヨクヨ考えるよりも行動で頭の中のイメージを具現化するタイプのようだ。

この【法人】の扱いづらい複雑さは、背景が全く異なる複数の人格が混ぜこぜになったためと思われる。

(M&Aを経験した【法人】との付き合い方で、ひとつの傾向が見えた気がする)
あなたには、先ほど気づいたこの発見が面白い。

これまでずっと、【法人】との面談は社長のカウンセリングではなく、全くの別物と規定していたが、どうやらその規定はかなり曖昧なものになりそうだ。

【法人】は“社長の在りよう”を忠実に、それもかなり色濃くみせる。
あなたが対面する【法人】は、毎回同じ男の顔だ。

この顔の男を通して、あなたの世界の人間と関わるという【法人】のルールゆえだが、やはり中身が違うわけで、接触の仕方によっては普通の一個人以上に“別人”たるインパクトを持っている。

《続く》

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