宮城県株式会社のケース(10)vol.121

(そういうことか?)
先走って出した結論を、あえてそのままぶつけてみた。

普段はあまりそういうことはしないが、この宮城社のように、相手の反応に無頓着で一本調子なタイプにはこの「一本調子返し」が効く場合がある。

「……そういう発言はしていないようですが」
先ほどまでの流暢な調子は影をひそめ、【法人】は少したじろいだような気がする。

社長自身はそこまで考えているかもしれないが、周囲のスタッフに話してはいないようだ。

ついでに、“あなたのトコの社長は当然そう思っているはずなのに、【法人】たるあなたはそれを知らないのかぁ。フーン”という皮肉な空気感に弱そうな様子が、目の前の男からはうかがい知れたことが興味深い。

(にわかエリートみたいで、からかうと面白いかもしれないが、それは後々必要なときの切り札にするとして…)
あなたは気を取り直した。

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