宮城県株式会社のケース(7)vol.118

とにかく今の話から推測すると「市場における自社戦力」とは『社員』ということになる。

「人は石垣、人は城」は戦国武将の武田信玄の有名な言葉だ。
「資本は人なり」は出光興産の創始者である出光佐三の方針である。

(臆面もなくそんな理想を掲げているのだろうか)
一瞬あなたはそう思った。
そういう綺麗ごとは、どの経営者も口にする。

しかし、現実には言葉とは逆になることがいかに多いことか。

たとえ経営トップが末端の社員ひとり一人に対し温情主義で臨んだとしても、間に挟まる幹部の質が悪いと結果は惨憺たるものになる。

せっかくの善政が捻じ曲げられて、社長の声が末端に届いたときには搾取同然の圧力に姿を変えてしまうからだ。

さっき【法人】が話したように、社員たちが圧迫や強制に怯え、あるいは怒りを感じているなら、末端の現実を知らぬ社長がいくら慈悲の言葉を並べても、社員はしらけるだけである。

当然生産性は落ちるし、ちょっとでも良い条件の職場を見つければ、迷うことなくそちらへ移ってしまうことだろう。

『労働力の搾取防止』『業界標準の1.3倍の給与』などという綺麗ごとを並べたところで、言葉どおりに社員が報われているはずだなどと、安易に信用はできない。どうせこれも茶番じゃないのか?

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