青森県株式会社のケース(終)vol.091

(では、廃止または縮小するレンタル事業に代わる、高粗利の新ビジネスとして何が有望か)

興味深いのは、ブログコメントの中に
「DIY相談会を開いてほしい」

「間取りや既存家具などの条件から、DIYのポイントになる点の勉強会とかありませんか?」

「○○さん(社員のハンドルネーム)、ヨーロッパ家具を使った『ワンルーム住みこなし(“着こなし”のもじり)術』とか、模型を使って講義して欲しいです」

などの声があることだ。
しかもそういった「教育の場やコミュニティーを求める声」は、年々増えている。

消費者の利益は、『買って、使って、捨てる』式の物的価値から、『この商品を使った自分がどうありたいか? 未来もあり続けたいか?』という、将来の自分を重ね合わせられる象徴としての価値に変わってきている。

「こんな部屋に住んで、こういう家具に囲まれた生活」というのもそのひとつだ。

だから、「数ある家具の中でもあなたに相応しいのはこれ」と示してくれて、しかもそれを手に入れるには高い障壁があるにも関わらず、それを突破する力を与えてくれる『ダントツに神レベルな人(や企業)』がいるところには、きっと『信者客』ができる。

高粗利を実現させてくれるリピーターになるわけだ。

そうなると、情報コンテンツの提供やセミナー開催などがハマるだろう。
現実問題、それだけのことができる社員が何人もいるのだ。

人前で話すことが苦手な社員もいるだろうが、たいていは克服できるし、克服しきれなくとも、そういうキャラクターを好きな人というのも必ずいる。

さしあたって、様子見としていくつかの有料コンテンツを作って、手ごたえを見るところから始めるとする。
・輸入家具選びで失敗しない7つの防衛策
・家具選びのプロが教える『広さ別、間取り別、飾り棚DIYの秘訣7選』
といったようなものだ。

そして、コンテンツの売れ方を見つつ、同時にセミナー開催に関するアンケートを行って希望者を募り、顧客と直接接触するハイタッチな展開での進出も狙う。

自社サイトや告知サイトで不特定多数向けにセミナーを通知しても、通常、反応率は極めて低いものになる。

しかし、青森社のブログ読者ならすでに交流しているとか、強い関心を持っている相手に絞り込まれているので、比較的有効なデータが取れるだろう。

それに、「絶対参加します! 楽しみにしてます(^_^)/~」などとコメント欄に書く信者客もいるに違いない。

それを読んで、自作自演を疑う、うがった見方をする閲覧者もいるだろうが、素直に“人気がある”と認識してくれる人も多いだろう。

そうなれば、信者客以外も集いやすくなる状況が作れる。
何年にもわたり、これだけの数のQ&Aが公開されているがゆえの効能だ。

また、講師に転向する社員が出るので、レンタル事業縮小による人員の余剰も解消され、青森社の社長が望むように、リストラで切り捨てる社員を出すことなく次の体制を築けそうだ。

(では、いつ頃からそうなるか)
結局、ここが避けて通れないポイントになりそうだ。

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