青森県株式会社のケース(20)vol.090

ここまでの状況が明確になれば、次に示す方向も、手相に見える自社の特徴を生かし、長所を積極的に活用するのがよいと思う。

市場全体の流れから察するに、家具のレンタル事業が成熟期を迎えた今、利益率の低さと資金負担という事情を抱えた青森社は、このまま進めばジリ貧なのは目に見えている。
路線を変えることは必須事項だ。

そして、大きく舵を切るにしても、自らの特性に合わせ、長所を活かすスタイルにするなら、それは単なるギャンブルではない。

大体、はからずも青森社はすでに、根底を成す部分(この場合は人材)には十分な投資を行って、アビリティとロイヤリティを磨き上げてある。

あなたはたまたま、実際に手相鑑定をして、社長のマネジメント手腕の裏付けをしたにすぎない。
あとは、すでに掘り当てている鉱脈に意識を向けさせ、次の成長カーブを作らせることだ。

(家具レンタルは売上を作るための事業と割り切って継続させ、一方で高粗利が取れる新ビジネスを手掛けるか?)
あなたはそう思ったが、青森社は上場企業ではないし、上場企業の傘下でもないので、売上実績を誰かに見せるために、手に余るレンタル事業にこだわることもない。

強いて言えば融資を受けている銀行へ、事業規模をアピールするために必要なくらいだろうが、不要なインフラを手放すことで追加融資の可能性はほぼなくなり、今借りている分の返済もスムーズになる。

(やはり、全国展開で行うレンタル事業はやめるのがよいか)
少なくとも現在行っているB to Cでのスタイルから、初期のように官庁・企業を相手のB to Bスタイルに戻すとか、特定家具のレンタルのみにするとか、縮小することで差別化を図る方向へ回帰するのがよいだろう。

そのほうが価格設定や事業のワークフローのシンプル化により、今よりも高い利益率を望めるはずだ。

《続く》

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