岩手県株式会社のケース(6)vol.098

(しかし、『スタビライザー』とは何のことか?)
【法人】の説明序盤で早々に放棄したこの言葉に、再び戻ってしまった。

改めて【法人】に質問してみると、どうやらこういうことらしい。

「ビールの指輪!」という音声を感知したビール供給機の読み取り口からは、半径60センチの範囲に微弱な電波が10秒間放出される。

放出範囲が広すぎたり、放出時間が長すぎたりすると、近くにいる他の会員の指輪が反応して誤作動を起こす可能性があるので、その防止のため「60センチ、10秒」を限度とした。

mode_rnd

照射範囲内に入った指輪は、供給機からの電波の存在を検知すると同時に発信元を突き止め、受信信号を送り返す。

1秒間に128回の送受信が連続成功した時点で、「accept」の情報を供給機側へ送り、ランダムモードの注文は完了する。

ちなみに、客が容器の選択ボタンを押した場合(通常モード)の電波放出範囲は短く、20センチを限度としている。

mode_nml

通常モードで容器サイズを決定する場合、普通は派手なポーズを取らないので、電波の送受信は20センチ以内で行われると考えて問題ない。

しかしランダムモードを選んだ場合、会員の手は照射範囲などお構いなしに動き回り、半径60センチの外へ出てしまうこともある。

どの角度へどんな速度で移動しようとも、そして、その途中で照射範囲の外へ出ようとも、単位1秒の中で正確に発信元を特定して交信を行える機能を、小さな指輪の中に装備させたのが『スタビライザー』と呼ばれるものの正体だった。

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