宮城県株式会社のケース(4)vol.115

「社長は交代しました。買い取った投資家が社長に就任し、前社長は顧問という形で指揮系統からは外れています」

(なんと! 「投資家」がみずから「社長」に就任とは……)

新社長は新進の投資家なのかと【法人】に質問したところ、数代続く資産家の息子で、いわば「生まれながらの投資家の家系」だという。

あなたは不思議な気がして、新社長就任に至るまでを、細部にわたって聞き取ってみた。
すると、こういう顛末だった。

宮城社を買収した資産家の息子は、最初は資金提供して経営者に事業を委託し、ビジネスオーナーの立場をとった。

しかし、彼が思うように動ける経営者がおらず、どんなに現場を訪問しても、間接的な経営者指導では経営の実感が得られなかった。

そしてとうとう、自分自身が経営の当事者になることを決めた。

投資家 → ビジネスオーナー → 経営者

普通は、時間をかけてこの逆のステップを目指し、その中のほんの一握りが到達できるのが投資家という人種であると、あなたは思っていた。

しかし、現在宮城県株式会社を率いる資産家の社長は、「生まれながらの投資家」から突然変異で出てきた変わり種らしい。

《続く》

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