宮城県株式会社のケース(1)vol.112

【法人】は事情を語り始めた。
もちろん、【法人】が不倫をしているわけではない。

社内で明確な不倫が4例、雲行きが怪しいのが6例もあるという。
うち、社員同士の不倫は2例、怪しい6例のうち社員同士は5つを占める。

(ヒマなのか?)
反射的にそう思ったが、無論口には出さなかった。
社員94名のうち、17名が不倫中、またはその予備軍ということになる。

(結構なパーセンテージだ)
約18%にのぼる。

(しかし、この場合『倫理』が問題なのだろうか)
あなたに相談しているのは個人ではなく【法人】だ。

恋愛すると生産性は下がるのか?

そうは言いきれないだろう。気持ちにハリができて、人生全般に前向きで積極的になり、仕事への意欲が増すというのは、不倫でない恋愛においても普通にあることだ。

社内に想う相手がいて、その助けになりたいと願う状況なら、より一層仕事にも熱が入る。
そこから生まれる業務アイデアが生産性の向上に役立つこともあるに違いない。

これまであなたのもとに相談に訪れた【法人】は、いずれも業績の伸び悩みか、失速して落ちかけていく状態からの救いを求めてきた。

ということは、この宮城県株式会社は、現時点で不倫問題が業績に影を落としているか、いずれそうなるという明らかな事象が確認されているかのどちらかだと思う。

(そう考えて間違いないだろう)
あなたなりの関わり方が、何となく理解できた。

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