岩手県株式会社のケース(5)vol.097

システム会社はそれで断るとしても、問題は『ビールの指輪』のビジネス拡大に、どう対処すべきかだ。
ヒット商品に乗った企業の都合で、才能ある一個人がギリギリと締め付けられている。

上り坂の真っただ中で冷静にブレーキを踏める事業者は少ない。
今のビア社、アミ社に自らの足でブレーキを踏ませようとするのはおそらく不可能だろう。

岩手県株式会社の撤退は認めないに違いない。
もしこの状態で社長が倒れてしまったら、今度は息子たちに矛先を向けてくるのはわかりきった話だ。
それによって指輪機能の品質問題が起きたら、責任追及してくるのも目に見えている。

(スタビライザーの開発ノウハウを、大量生産が得意な工場へ売れればいいのに)
素人のあなたはそう思うが、そのノウハウが、教えて伝わるものではないためにこの問題が起きている。

それは理解しているのだが、解決方法が思いつかずに堂々巡りするうちに、ついつい「他所へ売れればいいのに」という短絡的なフレーズにぶち当たってしまうのだ。

《続く》

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