青森県株式会社のケース(2)vol.072

「ライバルもずいぶん増えたけれど、客層がそれ以上に広がっていましてね」

これまでの事例からすると(といっても2件しかないが)、【法人】はこちらから求めないかぎり、常に“今”のことをしゃべってくる。

あなたはまだ何も質問していない。
ということは、客層が広がっているというのは、それが事実かどうかは別として、社内ではそう認識されている現在進行形の事柄なのだろう。

(成長曲線からすれば、客層が広がっているのは過去の話で、今の課題は『広げた客層に向けた次の商品展開』ではないのか?)

社長が何を考えているかは不明だが、本当に流れは来ているのか?
むしろ、新しい流れを作らなければならないのに、それを忘れてしまっていないだろうか。

最初の成功体験が忘れられず、第2弾が必要になった時も同じ方法を採り続け、事業を傾かせる経営者は多い。
しかし、この社長は最初の成熟期(第1期)の停滞を打破し、2度目の成長を成し遂げた実績がある。

問題はやはり、この「2度目の成長期」のきっかけは何だったのかということになりそうだ。

「それまで(第1成熟期まで)公務員ばかりだったんですけどね、民間人にも売れるようになって、そこから一気に広がりましたね」

想像していたとおり、【法人】からはそれほど深い内容が得られなかった。

逆に、第1期が公務員限定だったという点が、あなたには引っかかる。

閉鎖的だった客層が解放された第2期にも興味はあるが、その前に、ビジネスがどう誕生したのか、その点を聞いてみたい。
会社設立前に6年間、個人事業を営んでいたようだから、そこにもさかのぼってみたいと思った。

《続く》

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