『攻めの飛び道具には、事務が有効』といったシステム会社の営業の言葉が、具体的にどんなことを指しているのかはわからないが、ある程度想像はつく。
例えばルート営業で食料品や資材などを納めている卸の会社などでは、「無くなりそうなタイミングで顧客に声をかける」といったアクションが高い満足を生むことがある。
そういう企業努力によって、既存顧客とのより良い関係を築き、その口コミが新規顧客獲得につながることも期待できる。
つまり、顧客獲得の手段を、営業担当者の直接的な接触だけに頼るのではなく、後方で事務を担当しているメンバーが、自身の業務の特性を生かしたスタイル(例えば各顧客の消費速度と前回納品日からの経過日数のリストを基にしたアプローチ)で間接的な営業に参画する。
『攻めの飛び道具』とはそんな意味ではないだろうか。
上に挙げた例は通常、顧客対応履歴を持っている営業事務の領域だが、売上伝票でも確認できる実績データを基にしているので、経理がその『飛び道具』の役回りを兼ねることも理論上は可能だ。
しかし、ある程度大きな企業では「経理は管理部門、営業事務は営業部門」と分断されることが多く、経理が兼務する形はほぼ見られない。
一方、小さな会社では総務と経理が兼務になっているケースが多く、営業サポートをそこまできめ細かくやり遂げるのは難しい。