宮城県株式会社のケース(15)vol.126

かなり思い切った方針転換が必要だ。
【法人】の手相を読み取ったあなたは、これからしゃべろうとする自分自身の考えにたじろいだ。

本当なら、社長と直接話して決めたい。

ただし、この【法人】相談では意思決定のポイントが違う。

これまであなたが携わった問題は、常に共通していた。
【法人】の性質に、会社が置かれた状況がそぐわない時、様々な問題が生じているのだ。

その時会社を率いている社長の方針すらも、「【法人】が置かれた状況の一要素」にすぎない。
そういう意味では、社長と話したとしても真の解決に至ることはできないだろう。

あなたがこれまでしてきた【法人】への示唆は、社長の方針とはずいぶん違ったものが多かった。
中には、真っ向から否定したものさえある。
例えばこんな感じだ。

▲▲社
経営効率化の旗印を掲げて、先代から長年かけて築いた信頼関係を手放そうとする2代目社長にストップをかけた。

北海道株式会社
サービス品質に比して営業力が弱いことに悩む社長が、無謀な採用活動で【法人】を消耗させることをやめさせた。

岩手県株式会社
「高品質・少量生産」の持ち味とは相性が合わない、浮ついた流行関連部品の過剰なニーズに対しては、ビジネス自体を手放させた。
この判断は社長の方針には合っていたと思うが、さすがにやりすぎ感をぬぐえない。

しかし、あなたがしてきたいずれの示唆も、【法人】から一定の評価は得られた。
毎回の報酬額が、ハローワークからの最低保証額を上回っているのは、【法人】があなたの相談対応に価値を感じたからだ。

ためらいは大きいが、今度の場合も、この宮城県株式会社に対してひとつの示唆を行うだけにすぎないといえる。

(この【法人】には、やむを得ないだろう)
あなたは心を決めた。

《続く》

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする