青森県株式会社のケース(16)vol.086

昔と今とでは、一口に “神” といってもその言葉が持つ意味合いは大いに違ってしまっている。

人智を越えた遠い存在の「神」よりも、生身の人間ながらも突出した能力や生き様ゆえに「神」と呼ばれているような、自分に近い存在への信仰のほうが、経済に与えるインパクトは強く、現代においては一層『神的』である。

後者の「神」を別の表現でいえば『カリスマ的存在』だ。

「神」よりも「神レベル」であることが重要で、「神レベル」であることが大衆に広まった時に「神扱い」され、流行りとかムーブメントといったものを創出し、大衆を先導するほどの威力を発揮する。

経済主導の世界では、そういう力こそ「神威」と言えるだろう。

むろん、現代人といえども本来の意味で信仰心を持ち、神に向かう敬虔な側面も持ち合わせてはいるが、物的に満たされた社会は精神主義が重きをなす傾向にある。
それゆえ、経済上の付加価値も、単なる「モノ」や「即物的なサービス」より、精神性の高いものへ比重が傾く。

物質より精神、精神より感性と、従来「神」に近かった領域に、企業が扱う製品やサービスも昇華していかないと、競争力が保てない状況になっている。

《続く》

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