(うーむ)
別に、あなたの違和感を解消することが、必ずしも青森社の問題解決に役立つとは言えない。
そんなことより、常識的に考えれば事業縮小という方向性が定まってきたのなら、撤退に関する具体的な方策の検討に取り掛かるのがセオリーのはずだ。
あなたが考えるべき内容としては、そちらの方が正論だとは思う。
しかし、【法人】の手相鑑定などというセオリー無視のスタイルを取ったあなたには、セオリーからでは得られない手段でのアプローチこそ重要ではないだろうか。
(あ……)
セオリー無視で思い出した。Unknownへのアプローチをすっかり忘れていた。
あなたは【法人】に、手のひらを差し出すよう促した。
個人 | 【法人】 | ||
① | 生命線 | ⇒ | 取引線(売上仕入線) |
② | 運命線 | ⇒ | 取引先線 |
③ | 知能線 | ⇒ | 製品線 |
④ | 感情線 | ⇒ | 社員線 |
⑤ | 太陽線 | ⇒ | 市場線 |
⑥ | 結婚線 | ⇒ | 関係線 |
(なぜ、こういうことになったのだろう)
手相は変わっていくものだ。
たとえ生まれつき不向きなことでも、日々それをしなければならない環境に身を置くと、能力の習得と共に手のひらの状況も変わる。
どこまでが先天的で、どこからが後天的な変化を遂げたのかわかりづらいが、しばし見入ってしまうほど興味深かった。
読み解いてストーリーを作るのに、どこから紐解こうかとワクワクする。
(『社員』に重点を置くのがよかろう)
しばらく眺めたうえで方針を立てた。