青森県株式会社のケース(12)vol.082

一般的に、上場後、経営者は株価を維持したいと思う。

一方、ベンチャーキャピタルは上場させた直後に、所有しているその会社の株を売って利益を得るのが目的だ。

利害は一致していない。
キャピタルは株を売り抜けるまでのお付き合いになるので、そのあとのアドバイスまで、本当に身を入れて対応してくれるかどうかは疑わしい。

今の青森社に次なる成長商品があるか? という要素を加えて考えれば、上場話などは手を出さないほうが良いと思うのだが、社長はそこまで見えていないと思う。

(ここは、逆に考えてみるべきか)
上場を狙って無理矢理に売上高を作って見せるなどのパフォーマンスは一切不要。
むしろ、絶対に上場が狙えない方向へ、思い切って舵を切るのだ。

「業界をリードしている」という、今となっては空しい看板にしがみついてもその効果は期待できず、必死でしがみつくほどその負担が増していく。

大体、現在のネット社会で「業界トップ」をアピールできるだけの実績があるなら、青森社にとっては過剰な設備を手放しても問題ないと思う。

たとえば地方拠点などはもはや過去の遺物だ。
社員はともかく事業所は不要で、これを構えているがゆえの家賃が経営を圧迫している。

本社は自社の持ち物なので、手放すのは東京と大阪の2拠点ということになる。
手放せば毎月100万近くの経費が削減できる。

資金繰りに与える好インパクトは非常に大きい。

他に、いくつかの地所と契約を結んでビルの屋上に設置した広告塔や、雑誌の固定掲載枠の中に、手放してもさほどの影響がないものもあるだろう。

それらは徐々に終了させ、WEBコンテンツの充実に一極集中させたほうが広告効果は上がるはずだ。

《続く》

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