(一番のネックは、事務のオペレーションが複雑なことだ)
そのために人海戦術をやってしまったことが、今日の状況を招いている。
全体的なオペレーション改革を行わねばならないが、自社では収拾がつけられない状態ならば、その部分を外注してしまうのはひとつの方法だ。
が、レンタル管理の事務こそが青森社の事業である。
自社事業のカギを握るメインの業務にもかかわらず、ノウハウが未知のまま他社に投げてしまうことは、自社の命運を他社に委ねるようなものだ。
相手が親会社で資本関係がある、などのつながりがあるのならともかく、青森社にはそういった関係会社は存在しない。
「システム会社の営業も、『今、外注するとそのリスクがある』と、最初にそう話していました」
【法人】はそう言った。
(ホウ・・)
あなたは面白く思った。
システム会社の本音は、外注会社に回そうとしている資金があるなら、それをウチへ引き取りたいということだろう。
相手の事情をロクに聞かず、いきなり導入実績や機能説明を始めてしまう営業担当も多い中、青森社の潜在リスクを引き出して、最初にそのことを伝えたということだ。
【法人】によれば、かなり親身な話し方だったという。
社長はその話の続きに期待し、すぐに引き込まれたそうだ。