北海道株式会社のケース(終)vol.069

何をマスコミにアピールするか、については考えるまでもない。
社長と、北海道株式会社の今日までの歴史が良いと思う。

【法人】の淡々とした語りだけでも充分なドラマ性に満ちていた。
しっかりとした演出で表現すれば、感動のストーリーが出来上がりそうだ。
物語の合間に「お客様の声」を差しはさむと、好意的なコメントが得られてより効果が増すだろう。

(しかし、どうやって売り込むか)
【法人】が社長を誘導しても、父や初代社長の話を、積極的に雑誌社などへ語ることはなさそうだし、そもそも社長自身が「私の感動物語を聞いてください」などとアピールしたら、消費者は胡散臭さを感じてしまうだろう。

最終的には感動物語を受け入れてもらうとしても、そこに至るまでのプロセスは慎重に考える必要がある。

(マスコミとの懸け橋……。その自然なきっかけになり得る要素……)

あった!

中学時代から作文で賞をとったり、雑誌に地元リポートを送って掲載されたりしている

今、この会社で社長以外に唯一、会社の強みを支える「業務シナリオ」を書くことができる女性事務員がいることを、あなたは思い出した。

彼女は、社長と会社のこれまでの歩みを知っているのかと、あなたは【法人】に質問した。
「先代の仕事を引き継いで、先輩と二人でやりくりしてきたことは知っていますが、それ以外は詳しく知らないようです」
しかしそれでも、自身の昔話を社員に話したことは何度かあるそうだ。

(それなら不自然ではないだろう)
あなたは【法人】に、その女性に話すように社長を『誘導』し、次に、社内報を作るよう彼女を『誘導』するよう伝えた。

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