北海道株式会社のケース(終)vol.069

(たしかに、遂行能力がこれだけ高ければ、営業がどれだけ仕事を獲得しても受け皿のほうに問題はない)

むしろこの状態で基幹システムによって会計面を強化したら、会社の実力バランスの偏りを増大させるようなものだ。導入するなら営業管理システムのほうがニーズに合う。

システム会社の提案は、当を得ていない。
管理重視のシステムではなく、営業支援システムのほうが現状には合うだろう。

今は地道な飛び込み営業をしていて、成約率は低い。
ターゲットを絞って営業をかけるとしても、客にアピールする明確な特色がない。

仕事の質が高いので、依頼してもらえれば実力は示せるが、『自社の顧客の姿』が明確にならないため営業方針が定まらないのだ。

仮に、香川県の顧客を切り捨てて『徳島県限定』を強調したから成約率が上がるというものでもない。

(マーケティングが課題ということになりそうだ)
顧客の本業を常時サポートするような事業なら、比較的口コミで広がりやすいが、顧客側にとって、たまにしか依頼しない単発の仕事相手のことでは、口コミもそれほど強力な伝播力にならない。

(それから、もともとこの会社は、口コミよりマスコミが合っているはずだ)
右手商品線の先のほうから、小指側に昇る数本の短線が伸びている。

小指は通信や伝達、流行などを意味する。
商品(この場合「事業」といった方が良いだろう)がパブリックリレーションへの高い親和性を示している。

口コミよりマスコミをうまく活用するほうが、北海道株式会社の良さをアピールできるだろう。

「この会社に依頼したい」という予備軍を設け、そこに対してセールスを仕掛けたほうが営業効率は上昇し、持ち前の高品質を実感してくれた顧客がリピーターになり得る。

ポツンポツンとしたリピートでも、顧客の絶対数が多くなれば受注時期が適度に分散し、北海道社に安定した売上をもたらすようになることが期待できる。

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