▲▲社のケース(5)vol.052

あなたは眉をひそめた。
文脈が一気に変わってしまった気がする。飛ばした話がかなりあるに違いない。

あるいは、飛ばした部分に重要なポイントがあると認識できないからこそ、ドロ沼にはまってしまうのかもしれない。

あなたが特に気になったのが、『最近になって急に世代間亀裂が入り始めた総務と経理』だ。

社内で変革があり、管理部門の事務量が増えただけなら、「人が足りない」と不満を言い始めるのが定番な部署だ。

その希望が叶わないと「自分たちの要望を上に通せない、役立たずの部門長」と、部下たちの不満が『上司』に集中したり、逆に「自分たちの嘆願を蹴った横暴な経営陣」を共通の仮想敵として部署内の連帯感を増したりする変化はありがちだが、部門内で世代間に亀裂が生じるというのは、なにか別な力が働いている可能性がある。

その推測と「外部の力に頼った」の符号が一致するのではないか。

もしかしたら、基幹システムの導入計画が、望まない状態の要因になっているのかもしれない。

かなり深い話になりそうだ。

あなたは壁の時計を見た。
今回、一日で済みそうな話だろうか。

通常、このような相談受付の最中に、あからさまに時計を見るという行為はどうかと思う。

しかしハローワークでは、1日単位であなたへフィーを支払う。
面談をさらに後日へずらすことはすんなり認めないと思う。

【法人】の側が後日の再面談を望んだ形になっても、面談引き延ばしの疑いをもたれることは、今後の契約に良くない影響があるだろう。今回で終結させるに越したことはない。

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