その日の正午、朝のスーツ姿から私服姿に身を変えたあなたは、ハローワークへの道をトボトボと歩いていた。
3日前のほぼ同じ時刻、あなたは同じ道を、伸びやかで、少し誇らしげな気持ちで歩いていたはずだが、今は心に大きな風穴が開いている。
片側3車線の大きな道路を越えると、ハローワークが入っているビルだ。
信号が青に変わっても、渡らずに立ち止まっている自分に気づく。
到着を遅らせたい心理が、あなたの足取りを重くさせるのだ。
しかし、▲▲社の面接を断り、他の応募中企業から何のリアクションもない現在の状況では、道はひとつしかない。
請けるしかないのだ。ハローワークからの話を。
今朝から何度ついたか忘れるほどのため息を、また深々と吐き出す。
人生のボタンを掛け違えたのは、過去のあなたのどの決断だったのか……
顔を振り上げて空を見た。
やはり今日もまた、曇り空だった。