扱いづらいITエンジニアに苦労する経営者に共感する一方、あなたは、何人ものエンジニアと接してきた経験から、彼らにも同情できる。
そもそもシステムというやつは「それを人間がやっていたら効率が悪いこと」を自動化する仕組みのことだ。
難易度はまちまちだが、いずれにしても「一定の繰り返し作業を機械にさせる仕組づくり」の専門家がITエンジニアだ。
だから、経営者が夢想する『自動化による自社事業の将来構想』みたいな漠然としたことを言われても、それは『設計図』とは似ても似つかぬものだ。
「あの連中は、ビジネスってものがわからないんだ」
と経営者はブツブツ言うが、それはIT技術を経営者側から見ているからだ。
エンジニアだってビジネス上の自分の役割はしっかりと果たしている…と、あなたは考えている。
融通の利かないコンピュータ相手に奮闘するITエンジニアにとって、経営者的発想は全くの別分野だ。
そういういわば『漠然とした話』は不得意なのだ。まず要件定義して仕様書におとしてから関わりたい。
だから、『会社事業そのものを語りあえるエンジニアが欲しい』という経営者の願いは、無いものねだりになることがほとんどなのだ。
エンジニアの技能でなんでもやろうとすることをやめ、『社内の情報資源活用』というテーマで発想することにより、経営者の願いはかなえられるとあなたは考えている。