宮城県株式会社のケース(14)vol.125

あなたは、【法人】に手のひらを差し出すよう促した

miyagi

宮城社両手

  個人   【法人】
生命線 取引線(売上仕入線)
知能線 製品線
感情線 社員線
太陽線 市場線
財運線 キャッシュフロー線
影響線(生命線) 影響線
⑥’ 影響線(運命線) 影響線
向上線 士業線
 

③社員線が異常に強く、会社と社員、そして社員同士の連帯感がこの会社のカラーを作ってきたといっても過言ではない。

あるいは会社というよりも“運命共同体”と呼ぶほうが、より実態を表しているかもしれない。
大きな会社の傘下で守られながら、独自路線の追求に専念できれば、きっと今回のような買収騒ぎの舞台に躍り出ることも無く、その仲の良さで業界に大きく貢献できただろう。

すでに起きてしまったことは仕方ないとはいえ、宮城社を守ろうとして買収した新社長は、従来この会社が持っていた生産性の高さに惚れ込んで、その長所を愛でた。

(高付加価値をもたらす連携の良さを、主要業務に集中させれば、宮城県株式会社は圧倒的な業界リードの地位を手にすることができる)
そんな狙いが新社長にはあり、だからこそ買い取ってまでこの会社を守ろうとしたのだった。

深く愛してしまったがゆえの強化施策が仇になったことに気づかぬ社長のひとり相撲が、今日のこの状態(不倫多発)を招いているとは思うが、それをどうやって止めさせるのが良いだろうか。

左手の生命線から出発して人差し指へ伸びるのは『⑦向上線』だが、【法人】にとってこれは士業などのプロフェッショナル事業者とのかかわりを示す。

一般的には会計士や税理士や社労士などだが、そういう社内業務の延長にある事柄については、外部からの過干渉は宮城社には逆効果といえるだろう。

むしろ、会社が持つ権利を法的に守ることや、海外や国内の先進事例調査、または新社長がやったような原料素材の海外レートの読みといった投機的視点の専門家をこそ、士業線の裏付けとして用いるべきだと思う。

(見える部分のインフラに特化してしまったが、そうではない部分のインフラだけでよかったのだ)
あなたはそう思った。

問題は、社長の想いと【法人】の在り方が一致していないことだが、不倫の問題を片付けるために大規模な方向転換を急いでしまうと、社長の野心に宮城社の姿がそぐわないことが顕わになってしまう点だ。

今、新社長が宮城社から手を引いてしまうと、元々この会社を買って売り抜ける目的だったハゲタカファンドが息を吹き返して、再び魔の手を伸ばして来ることだろう。 だから、新社長の庇護は引き続き必要なのだ。

左手の⑤投資キャッシュフロー線がすさまじく勢いがあることから、新社長が思い切って実施した宮城社へのテコ入れ効果が高いことが読み取れる。

《続く》

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