めざせ! 相談業でのリピート顧客獲得(5)vol.032

あなたに声をかけてきた路上の手相見の若い女性は、『鑑定の勉強中』だからまだ未熟だということなのか、それとも、彼女の鑑定の才能は今後もそのくらいの切れ味なのか、あなたにはわからないが、モヤモヤした感覚だけが残った。

(無料だし、仕方あるまい)
変なものを売りつけられたり、宗教の勧誘ではなかっただけ、良しとするしかない。

(良しとするしかない)
相手がアマチュアで、期待値が低いから、品質が高くなくても納得できる。

だがもしそこにフィーが発生していたら……。
プロに依頼した相手が、それに見合う成果を期待していたら、納得できない結果はシビアに評価される。

手相見の若い女性と離れたあなたは、周囲からの視線を気にして、急ぎ足でその場を去った。
不満はないが、満足もないという内容だったが、あなたは彼女を、それで許した。

あなたに相談してくる企業の社員は、あなたを許してくれるだろうか。

こちらが初仕事であることは、ハローワークからの説明で知っているはずだ。
だが、たくさんの企業がハローワークを通じて相談依頼をしているのなら、せっかく巡ってきた自社の順番がお試しの場になることを、きっと承知しないだろう。

つまり、あなたがビギナーでも、相応の成果を求めてくると考えて間違いなさそうだ。
『お試しの場』なんていう、あなたの側から見た言い訳は通用しないはずだ。

《続く》

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