いや、もしかするとフランチャイズ勧誘ではなく『技術職への転換の打診』ということも有り得る。
「今後、ITエンジニア求人で適当なものがあった場合、ハローワークから連絡します」 といったふうな。
むしろ、その可能性が高い気がする。
就職に焦り、先行きの見通しが立たない今、そんなシフトチェンジも有りかもしれない。
とはいっても結局、応募の範囲が広がるにすぎないので、その後はいつも通りの苦戦になるだろう。
それでも一応、ハローワークの「○○支援」といった扱いで、採用した企業側には補助金が出るとか、気休め程度の効果はあるはずだ。
(だが……)
この年齢から、ITエンジニアなんて務まるか?
近い将来、老眼や四十肩、節々の痛みなど、体のあちこちに陰りが生じる年齢になってゆくのだ。
過去に経験があるならともかく、今さらプログラマーやシステムエンジニアに初挑戦するのはさすがに無理ではないか?
(うーむ……)
このままアルバイトに毛が生えた程度の収入でジリ貧となるか、思い切って職種転換して無理して体を壊しジリ貧となるか、そんな悲観的な2択をせざるを得ないかもしれない。
しかし、心のどこかから別の声がして、あなたに方向転換を告げた。
(エンジニアへの転換でもいい)
今度はそっち側から、あなたなりのデータベース技術にトライしてみよう。
そう思って、担当官の顔を、決意のこもった眼差しでじっと見た。