宮城県株式会社のケース(13)vol.124

(なるほど)
社長が性に奔放・倫理無視といったタイプではないということはわかった。
社員たちに社長の性向が反映して不倫が起きているというものでもなさそうである。

では、現在社員たちの間に起きている恋愛依存とも言えそうな状況について、社長はどう感じているのか?

先ほどあなたの心をよぎった「社長にとって会社は研究所、又は実験場」という印象そのままに、どうも社員との間がサバサバしすぎていて、不倫などどうでもよいと思っていそうな気がする。

しかし、社員の不倫がその家族に露見したときの家庭生活崩壊により、社長が重視する「人」、又は「人が働く環境」から得られるナレッジの収穫に影響が出るリスクは高い。

客やマスコミなど、外の存在に発覚したとき被るマイナスイメージの払しょくに、余計な資源が浪費されることも、やはり好まぬところだろう。

そのような心情を社長が社内で口にしたことがあるなら、【法人】に直接聞けば回答が得られる。

社内の会話は【法人】の記憶に残るので、あなたの質問には隠すことなく事実を話すことが、今までの経験からわかっている。

だがこの【法人】の場合、下手に質問すると、講義調の演説を始めて無駄な時間と労力を要する傾向がある。

そしてそれに対するこちらの戸惑いや気遣いに対する、やや見下すような独特の臭みは、あなたにとって気分の良いものではない。

できれば回避したい。

かといって、こちらが一足飛びに本質を深く突く質問をすると、意外に理解が鈍い。
するとそれを誤魔化す苦し紛れの演説が始まる傾向も、この【法人】にはある。

インテリ気取りによくあるタイプだ。
面倒くさいタイプとも言える。

(かつて、そんな上司が自分にもいたな)
当時のやりづらさが想起される。

《続く》

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