(また、システム会社か)
毎度おなじみになりつつある展開だ。
いつも思うが、時期と内容さえ間違っていなければ、彼らの言うことは常にまともだ。
コンセプトが明快で、事業サポート用アイテムの売り込み文句として申し分ない。
問題は、システム導入を検討している顧客側(それも作業現場の末端)の状況が、システムの機能説明のお手本どおりになっていないという点だ。
当然どの会社の現場でも、システム概要の紹介資料みたいな、教科書どおりの使い方では役に立たない。
その点は、機能のカスタマイズや業務改善のソリューションでシステム会社がカバーすることになるのだが、顧客側も自分の弱点や要望に気づけないので、具体的に何を満たしてほしいのかを言わないことが多く、ましてや部外者であるシステム会社からは、いかに穿っても見えないことはよくある。
そもそも、そういった会議に出てくる顧客側の出席者は、現場から報告を受けただけで『現場感覚が無い立場の人間』であることが多く、自分たちの会社に必要な具体的機能をイメージできないから、ピントのずれた発言しかできないというケースが多発している。
仮に、現場の末端で作業を担当しているスタッフが呼ばれて出席したとする。
慣れない会議室にズラリと並ぶお偉方と、神妙な顔つきで並ぶシステム会社の面々に囲まれることになる。
改まった空気の中で、緊張しないほうがおかしい。
システム会社を呼びつけているのは自社のほうなのだが、彼らのことがお客様にしか思えない。
自社の幹部も大勢見守る中で、現場の問題点を堂々と発言する勇気など、無いのが当然だ。
当たり障りのないことを控えめに言うのが精いっぱいで、それだけで発言時間は終了する。
当然、本当の問題は問題点としては認識されない。
それどころか「おおむね上手くいっている」という印象を残す。
幹部たちの出す、その安堵の空気感が、対坐するシステム会社のメンバーに伝わると、ある意味その時点で落としどころが決定されてしまう。
本当は、問題は山積みなのだが、自社側とシステム会社側のどちらからも根本的なところは見えないまま、システム導入が進むことになるのだ。
まさに『ジョハリの窓』の4の領域(自他ともに認識できないunknown)だ。
あなたが関わった前の【法人】たちは、たまたまその“領域4(unknown)”に解決のポイントがあって、そこにアプローチしたあなたに多額の報酬がもたらされる結果になった。
いま、青森県株式会社を訪れているシステム会社はどういう方法でアプローチしようとしているのか?