皮肉な「書類選考通過」!二股の誘惑?(4)vol.018

店の時計を見上げたきっかけは、バッグの中で振動している携帯電話だった。
表示を見ると、しごとセンターのアドバイザーからだ。

(こんな大事なときに・・)
イヤな相手の横やりを迷惑に感じながら、あなたは電話に出た。

「先週応募された▲▲社から、急きょ面接に来てほしいとお話がありました」
あなたは仰天した。
▲▲社とは、今、あなたが応募している企業の中で、最も魅力を感じている会社だ。

「メールでも送りましたが、先方の面接希望日が月曜日なので、早めにお知らせしようと思って念のためお電話しました」
あなたはあわてて手帳のページをめくり、アドバイザーの話を書き留める。
さっきまでメモしていた相談受付のイメージは、一瞬で頭から消し飛んだ。

「メールのほうに詳細を書いてありますので、確認して当日までにご準備ください」
そう言って、アドバイザーは通話を終了した。

(ノッてきたか)
複数の会社から同時に内定をもらう話は、就職支援セミナーで毎回のように聞かされたが、あなたにとっては現実感のない、おとぎ話にしか思えなかった。

しかし、とうとう自分にも、そんな状況が訪れてきたような気がする。
アドバイザーは、あなたの職歴の中の、官庁に関する経験が先方の担当者に評価されたと言っていた。
あなたが地方の出先機関で、事務の責任者だった時の記述を読み『特に会ってみたい』 と言ったそうだ。

応募書類添削セミナーで「効果的なエピソードのはさみ方」を教わったが、その効果がようやく芽を吹いたのだろう。

《続く》

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