カテゴリー: 3:シロウト跡継ぎの天才的経営術(北海道)

  • 北海道株式会社のケース(7)vol.065

    社長は入社1年でほとんどの業務をマスターしたという話だが、だからといって、突然経営を任されて運営していけるだろうか。
    日常業務とはワケが違うのだ。

    当初は先輩と二人だけの食い扶持を稼ぐだけで精いっぱいだが、リスタートして半年以内に早速社員を採用している。

    収支はトントン、資金はギリギリ。それで約10年続いている。
    いくら若くて無理が利くといっても、単なる体力勝負だけでこの実績は出せない。

    【法人】はさっき、「社長は優秀だ」と言ったが、いろいろ話を聞いたうえで今日の姿を見ると、確かに優秀といって差し支えないだろう。

    (社長の手腕を体現する何らかの強みが、どこかのデータに表れているはずだ)
    地理的な条件から見てみようと得意先情報を抽出したら、徳島県と香川県に集中している。

    (やはり、『北海道株式会社』なんていう社名は、相談するときに使う適当な名称だろう)
    「宮城」や「仙台」なら、伊達つながりや七夕つながりでもう少し現実感があったのだが。
    いや、それはどうでもいい。それより、ここから何か見えてこないだろうか。

    創業社長夫妻の時代を“前期”、現在の社長の時代を“後期”と呼ぶなら、前期の最後にほとんど失った得意先の中に、後期に入って復活したところが結構ある。

    といっても、北海道社はイベント業だから、定期的に商品を納めるようなルートセールスの商売ではない。

  • 北海道株式会社のケース(8)vol.066

    社長は、中学校卒業後最初の3年間勤めた商社でずいぶんつらい目にあったと【法人】は言った。
    ミスをするたびに罵倒されるというのもそのひとつだった。

    彼を引き取ってくれた北海道社の社長は、「一つひとつの仕事が完璧」と驚かされた。
    だからこそ、夫亡き後の北海道社を引き継いだ妻は、彼に会社を譲った。

    社会人としてのすべてが初めて(つまり素人)だった彼が、たった3年の間に、次の会社で「完璧」と評されたことになる。

    その華麗なる転身を遂げた成長過程を示す実績データ

    (ノートか!)

    自分の要領の悪さを自覚していた彼は、聞いた話を端的に書き留める習慣を身に着けていた。
    彼の机の引き出しには、作業要領をまとめたノートが数冊束ねられていった。

    【法人】はそう話していたと思い出し、あなたはノートの記録情報を画面表示するよう要求した。

  • 北海道株式会社のケース(9)vol.067

    不覚にも、涙が出そうになった。

    (いけない)
    そういえばこの鑑定、最初から感情移入していた気がする。

    あなたは気を取り直した。
    社長がプロフェッショナル集団を目指したきっかけと、この会社の強みについてはほぼ把握できた。

    システム会社の営業担当者が、「プロフェッショナル集団の定義見直し」を提案することにも、こうなると賛同できる。

    大卒にこだわる必要はない。
    教育システムがこれだけしっかりしていれば、人材が定着しやすい環境は既にできている。

    じっくりと時間をかけて社員を育てることができるので、場数を踏んでいくうちにプロフェショナルな人材になるのは比較的容易だ。
    学歴が問題にはならないと思う。

    しかし、北海道社では上昇志向で独創性の強いタイプが、充実した教育システムとの不適合を起こし、短期間での退職を繰り返している。
    結果、人が居つかない文化が定着して社員たちの意識にも根付いてしまっているはずだ。

    それに気づかない社長とも思えない。

  • 北海道株式会社のケース(10)vol.068

    プロフェッショナルの養成に必要な条件は、すでに整っている。
    マニュアルどおりに動いてくれる人材を、じっくりと1人前に育てられる会社。
    社長が切り拓いてきた過程の共有化に成功したのが、北海道株式会社だ。

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    hokkaidouleft
    北海道株式会社(左手)

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    hokkaidouright
    北海道株式会社(右手)

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    baseGuide-Hokkaidou
    今回の基本線ガイド(北海道)
      個人   【法人】
    生命線 取引線(売上仕入線)
    知能線 製品線
    感情線 社員線
    太陽線 市場(マーケット)線
    結婚線 関係線
    影響線 影響線

    (人差し指と中指のちょうど真ん中に達する感情線)
    自分に良く、他人にも良い関係づくりに秀でていて、思いやりにあふれている性格。
    女性にこの相がある場合、よく『良妻賢母の相』と表現されることがある。

    あなたの置き換えでは「感情線」は「社員線」だ。▲▲社の鑑定では実際にその解釈で間違っていなかった。
    おそらく、良妻賢母の相は、社員たちを子供とした場合、しつけや教育の在り方を示すのではないだろうか。

    左手社員線の先端近くから数本出ている下向き短線は、個人の場合なら「他者の気持ちに対する感受性の細やかさ」を示しているが、これは北海道社の場合いうまでもなく業務マニュアルの造りに表れている。

    小指のすぐ下、外側から中心部へ真横に伸びる短線は「結婚線」だ。

    これは「関係線」と置き換えることにしている。社員との関係や社会との関係といったものを示す。
    綺麗に1本だけ、長くはっきりと伸びるこの形は、実に理想的だ。

    もちろん、どんな関係性を目指す企業かによって理想の形は違うから、何が理想的だとは一概に言えないが、他の線やその勢いから判断すると、この【法人】の関係線はこの形が相応しいと思う。

    (やはり、社員の採用が、今回の鑑定のポイントではないか)
    採用方針を変更させることと、基幹システム導入話を白紙にすること。
    このふたつを提案すれば、依頼を果たしたことになるだろう。

    あなたがしゃべろうとした刹那、【法人】から質問してきた。
    「社長はいつごろまで、この頻繁な採用を繰り返しそうですか?」
    あなたは言葉に詰まった。

    実はそれが、矛盾を感じつつ、どうしても答えが見出せなかった点なのだ。

    関係線が綺麗に一本だけ伸びている。
    互いに理解し合う安定した関係性に恵まれる特性の持ち主だと思う。
    それなのに、社長が社員との関係において、その特性に反したことをし続けていることに、うまい説明がつけられない。

  • 北海道株式会社のケース(終)vol.069

    (良い関係、安定した関係になることを拒んでいるのだろうか)
    安住することを嫌うタイプか?

    ぜひとも社長の手相を見てみたいところだが、あなたはハローワークとの契約で企業と関わることを禁止されている。

    鑑定した【法人】の会社と接触するなどもっての外だ。

    (もしくは、弱点を補強するために『自分たちに備わっていない力』、言い換えれば『自分たちにそぐわない力』を欲しがっているのか)

    弱点という言葉をキーにして手のひらをのぞき込むと、左手に比べ右手の市場線が細く短いので、業界シェアに打って出ている実感と成果に不全感を持っている可能性はある。

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    hokkaidouleft
    北海道株式会社(左手)

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    hokkaidouright
    北海道株式会社(右手)

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    baseGuide-Hokkaidou
    今回の基本線ガイド(北海道)
    個人 【法人】
    生命線 取引線(売上仕入線)
    知能線 製品線
    感情線 社員線
    太陽線 市場(マーケット)線
    結婚線 関係線
    影響線 影響線

    右手生命線(売上線)と知能線(商品線)がくっついてスタートしているので、もともと引っ込み思案なのだ。

    これは個人を占う場合の話だが、この場合【法人】に当てはめても話はつながりそうだ。
    つまり、性格的な要素により、売上分野で思うように力を発揮できていない。

    そのため、【法人】の短所を補強する使命感に駆られた社長が、懸命に弱点をカバーしようとして、自社なりの営業強化の道を探しているのではないか。
    ゼミの大学生を迎え入れた時のことを思い出して。

  • オーバーフォース(2)北海道株式会社の鑑定を終えてvol.070

    今回振り込まれた金額は、前回と比べると極端に少なかった。

    ハローワークの最低保障よりは遥かに多額だったので、【法人】からの報酬がそれを上回っていたのは確実だ。

    しかし今回は、新要素『【法人】内のデータベース』の存在を知り、それを駆使した高度な対応ができたはずだが、前回からの大幅下落はいったいどういう理由によるものだろう。

    「【法人】からの報酬金額査定の方法は、ハローワークでも知ることができません」

    例の、美人の女性担当官は電話の向こうでそう言う。

    予想していたことだが、あなたは混乱する。 前回の、驚くほど多額の報酬には、初回の契約金みたいなものが含まれていたのかと訊いてみた。

    プロ野球選手が入団するときの契約金に相当するものが、この【法人】相談にもあるのかもしれないと思ったからだ。

    「いいえ。報酬は2種類だけです。ハローワークの最低保証額と、1回の相談に対して【法人】が感じた価値に相当する分しかありません」

    自由業の収入は水物だ。多い時も少ない時もある。そう思うしかないのだろう。 

     

    (そういえば、国保と年金、それと住民税はどうなるのだったか?)

    委託契約が継続になったときに説明を聞いたと思うが、詳しく覚えていない。

    あの時は、振り込まれた大金が本当に自分のもので良いのかという確認に頭がいっぱいだった。

    (わざわざ電話をかけ直して聞くほど急ぐ話ではない)

    次に会う時に聞こうと思った。 そのことに、環境の変化を感じた。

    ほんの半月前までは、未払い国保の分割納付はあなたの生活を脅かす大きな要因だったはずだ。 それが今となっては、“急ぐ話ではない”と思えるのだ。

    しかし油断はできない。 この仕事がいつまで続くかわからないし、続いたとしても報酬が減って毎回最低保証額しか受け取れなくなったら、収入は1か月で15~16万円程度になる。

    しかも、契約期間中の就職活動は固く禁じられているのだ。 特別ボーナスに浮かれているわけにはいかない。

    (北海道株式会社の規模が小さいから、▲▲社の時のような額にならないのか)

    ぜひとも参考に知っておきたいことだ。