岩手県株式会社のケース(5)vol.097

手相とデータベース(あなたにとってはどちらも同じものだが)、いずれの判断材料も、岩手県株式会社が「高品質の多品種少量生産」あるいは「一品もの」に適していることを示している。

岩手社を訪れている各システム会社の営業は生産管理システムを提案してきたというが、規模を追わないこの会社にはそぐわない。

話を聞くと、どのシステム会社も、今話題沸騰の『ビールの指輪』の部品用にという話で勧めてきているようだが、それはあきらかな過剰投資だ。

「今導入して使い方に慣れておけば、将来の多角的活用が期待できると言ってきた会社もありましたが、それはどうでしょう」
【法人】はあなたにそう訊いてきた。

岩手社内では、勢いに乗せられた今回の話は抜きにしても、いずれは必要になるものなのではないか、という検討もされているらしい。
おそらく、二人の息子たちはまだ若い世代だけに、IT関連のそういった話には少し引き付けられるところがあるようだ。

それはどうだろうか。
あなたはそうは思わない。

大きな企業では「システム導入は何年何月から運用開始したい」と時期を基準にできるのに対し、小さな企業では「システムは今この瞬間から使いたい」という切羽詰まった状況であることが多い。

導入されてから使い方のレクチャーや訓練が始まるようでは使い物にならないので、早くから自社業務のIT化について検討し、使用練度を上げておくことは非常に大きな要素になり得る。

その意味で、今導入して使い方に慣れておくというシステム会社のセールストークは妥当だ。

しかし、システム会社に「相談」する程度ならともかく、パッケージを買う前提での「商談」はまだ早い。
少なくとも、岩手社内でシステム活用するほど定型業務がかさんできてから始めるべきだと思う。

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